コーヒーやエナジードリンクを飲むと「眠れなくなる人」と「全く平気な人」がいます。
その違いは体質ではなく、遺伝子レベルの“代謝能力”にあることをご存知でしょうか?
本記事では、カフェインの分解に関わる酵素「CYP1A2」とその遺伝的多型について解説しながら、自分に合ったカフェイン摂取法も紹介します。
カフェイン耐性とは?

カフェイン耐性とは、体がカフェインを分解・処理する能力の強さを指します。
この能力には個人差があり、「カフェインに強い人」「弱い人」がいます。
カフェイン耐性の違い=“飲んでも平気”か“動悸・不眠になる”かの違い!
遺伝子で決まる?注目の酵素「CYP1A2」

カフェインの分解には主に「CYP1A2(シップワンエーツー)」という肝臓の酵素が関与します。
この酵素の働きには遺伝的な多型(個人差)があり、次の2タイプに分けられます。
タイプ | 特徴 | カフェインへの影響 |
---|---|---|
速代謝型(A/A型) | カフェインをすばやく分解できる | 一般的にカフェインに強い |
遅代謝型(A/CまたはC/C型) | 分解が遅く、体内に長くとどまりやすい | カフェインの作用が強く出やすい |
「カフェインを飲むと夜眠れない人」は遅代謝型の可能性あり!
遺伝子検査で分かる?自分のカフェイン耐性の調べ方

最近では、遺伝子検査キットで「CYP1A2の型」を調べることができ、自分の代謝タイプを知ることが可能になっています。
- 検査方法:唾液や口腔粘膜を採取して郵送
- 価格帯:5,000円〜15,000円程度(国内各社)
※「CYP1A2」のみを調べたい人向けの簡易検査もあり
自分のカフェイン体質を知って、適切な摂取を

カフェインに敏感な人が、無理にコーヒーを大量に飲むのはおすすめできません。
以下のように自分のタイプに合った飲み方が大切です。
タイプ | 適切なカフェインのとり方 |
---|---|
強い人 | コーヒー1日2〜3杯でもOK(就寝前は控える) |
弱い人 | 午前中のみ、量は1日1杯以下が無難 |
まとめ:カフェイン耐性は「体質」ではなく「遺伝子」
- カフェイン耐性の差はCYP1A2という酵素の働きによる
- その働きには遺伝子の違いが影響
- 「飲める・飲めない」は科学的に説明できる差
- 遺伝子検査で自分の代謝タイプを知るのも一つの方法
よくある質問(FAQ)

Q. コーヒーを飲んだら動悸がするのは体質?
→ 体質だけでなく、「遺伝的にカフェインの分解が遅い」可能性があります。
Q. CYP1A2の働きは変えられないの?
→ 遺伝的なベースは変えられませんが、喫煙や薬剤の影響で一時的に活性が上がることはあります。